ウッドショックから見直そう!日本の家づくり
こんにちは。こもだ建総の岡部です。
私たちの業界では、3月下旬頃から話は出ていたのですが、最近になり一般紙やキー局のニュース番組でも取り上げられるようになってきました。「ウッドショック」という言葉、聞いたことがありますでしょうか。
私が生まれた1970年代に「オイルショック」があり、石油が入りにくくなったことから、経済や日常に影響が出たのと同様、今回は石油でなく材木が入りにくくなったことで、影響が出始めています。
発端はアメリカで住宅着工が爆増し、木材の品薄と金額上昇につながったことです。アメリカはコロナ禍でも景気は好調で、低金利政策により、空前の住宅着工ブームになっています。テレワークが進み、都心ではなく郊外に大家族で住める大きな家が多く建っています。アメリカの人は、一生家に住みつづけるのではなく、老後にその家を売却して、小さな家や老人ホームに移り住み、売却益を老後の資金に充てるというスタイルになっています。
その影響で、アメリカの住宅に使われる材木の、SPF材(パイン・スプルス・モミ)や米松がアメリカ国内で品薄になり、価格も数倍に上がっています。
もう一つの大国である中国も木材確保に注力し、アメリカ産をはじめ、建築用の材木を大量に確保する動きがあり、そんな中で、日本では木材を輸入している商社が競り負けてしまい、日本に木材が入りにくい状況になっております。
その結果、日本国内において、輸入している材木が激減してしまい、特にSPFの集成材やホワイトウッドの集成材が手に入らなくなり、これらの材料を多く使うハウスメーカーや、ローコストビルダーは、材料が入らずに着工を停止している状況も見受けられます。輸入材が入らない影響で、国産材を求めるハウスメーカーが増えてきており、特に杉材に関しては金額がかなり上昇しており、奪い合いの状態になっております。
このような状況下で、今まで「品質」よりも「安さ」を求めてきた住宅会社は、そもそもの材木が手に入らず、危機的な状況だと思います。今更国産材にシフトと言ったところで、納入するルート探しや同様の会社間での価格競争が待ち受けています。
一方、今まで国産材を中心に扱ってきた工務店にとっては、ひとまず当面の材料確保には困らない状況になっています。特に、産地と直接繋がっている工務店は、需要増による価格の上昇の影響はあるものの、そもそもの材木が手に入らない状況は回避できそうです。
こもだ建総は、約30年前より、和歌山の山長商店さんと長年取引をさせていただいております。山長商店は、100年を超える歴史の中で、植林~伐採の林業経営と、製材~プレカットの材木生産を一手に担う会社です。苗を植えるところから、柱や梁に加工されるところまで、一貫して品質を確保し、全量の強度や含水率検査をし、目視検査を経て選ばれた材木のみ「山長商店ブランド」として、私たちみたいな工務店に直売をしています(選ばれなかった材木は、一般流通材として木材市場に出されています)。
お客様の大切な家の、その中でも最も大切な骨組みにおいて、「安さ」よりも「品質」を求めた結果、こもだ建総では集成材ではなく、山長商店の構造材を使っています。ウッドショックの今、山長商店さんとの縁に感謝しております。
くしくも国産材が見直されるきっかけにもなり、住宅もただ「安さを求める」ことを脱却する時が来ているのではと、「本当にいい家とは」を、日本の家づくりが変わっていくきっかけになってくれれば嬉しいです。
私たちの業界では、3月下旬頃から話は出ていたのですが、最近になり一般紙やキー局のニュース番組でも取り上げられるようになってきました。「ウッドショック」という言葉、聞いたことがありますでしょうか。
私が生まれた1970年代に「オイルショック」があり、石油が入りにくくなったことから、経済や日常に影響が出たのと同様、今回は石油でなく材木が入りにくくなったことで、影響が出始めています。
発端はアメリカで住宅着工が爆増し、木材の品薄と金額上昇につながったことです。アメリカはコロナ禍でも景気は好調で、低金利政策により、空前の住宅着工ブームになっています。テレワークが進み、都心ではなく郊外に大家族で住める大きな家が多く建っています。アメリカの人は、一生家に住みつづけるのではなく、老後にその家を売却して、小さな家や老人ホームに移り住み、売却益を老後の資金に充てるというスタイルになっています。
その影響で、アメリカの住宅に使われる材木の、SPF材(パイン・スプルス・モミ)や米松がアメリカ国内で品薄になり、価格も数倍に上がっています。
もう一つの大国である中国も木材確保に注力し、アメリカ産をはじめ、建築用の材木を大量に確保する動きがあり、そんな中で、日本では木材を輸入している商社が競り負けてしまい、日本に木材が入りにくい状況になっております。
その結果、日本国内において、輸入している材木が激減してしまい、特にSPFの集成材やホワイトウッドの集成材が手に入らなくなり、これらの材料を多く使うハウスメーカーや、ローコストビルダーは、材料が入らずに着工を停止している状況も見受けられます。輸入材が入らない影響で、国産材を求めるハウスメーカーが増えてきており、特に杉材に関しては金額がかなり上昇しており、奪い合いの状態になっております。
このような状況下で、今まで「品質」よりも「安さ」を求めてきた住宅会社は、そもそもの材木が手に入らず、危機的な状況だと思います。今更国産材にシフトと言ったところで、納入するルート探しや同様の会社間での価格競争が待ち受けています。
一方、今まで国産材を中心に扱ってきた工務店にとっては、ひとまず当面の材料確保には困らない状況になっています。特に、産地と直接繋がっている工務店は、需要増による価格の上昇の影響はあるものの、そもそもの材木が手に入らない状況は回避できそうです。
こもだ建総は、約30年前より、和歌山の山長商店さんと長年取引をさせていただいております。山長商店は、100年を超える歴史の中で、植林~伐採の林業経営と、製材~プレカットの材木生産を一手に担う会社です。苗を植えるところから、柱や梁に加工されるところまで、一貫して品質を確保し、全量の強度や含水率検査をし、目視検査を経て選ばれた材木のみ「山長商店ブランド」として、私たちみたいな工務店に直売をしています(選ばれなかった材木は、一般流通材として木材市場に出されています)。
お客様の大切な家の、その中でも最も大切な骨組みにおいて、「安さ」よりも「品質」を求めた結果、こもだ建総では集成材ではなく、山長商店の構造材を使っています。ウッドショックの今、山長商店さんとの縁に感謝しております。
くしくも国産材が見直されるきっかけにもなり、住宅もただ「安さを求める」ことを脱却する時が来ているのではと、「本当にいい家とは」を、日本の家づくりが変わっていくきっかけになってくれれば嬉しいです。
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