雨の国 日本の家づくり
こもだ建総の岡部です。
梅雨入りをし、雨の日が多くなっています。
日本は主に温暖湿潤気候帯に属しており、四季があり年間の降水量も多めの気候帯になっています。

日本の年間降水量は、世界の平均の2倍以上あります。日本は年間約1690ミリに対し、世界平均は810ミリです。アメリカと比較しても倍以上の降水量があります。年間の降水日数(雨や雪が降った日)は東京は約100日に対して、サンフランシスコは60~70日というデーターもあります。量・日数ともに、雨の多い国であることがわかります。

日本の建築といえば「木造」ですが、伝統的に建てられているのが、柱と梁を組んで建てる「木造軸組工法」と呼ばれるもので、こもだ建総の家もこの工法です。

一方、アメリカが発祥の「木造」もあり、「木造枠組壁工法:(ツーバイフォー工法)」と呼ばれれるものがあります。

木造軸組工法は、以下の順番に家が出来上がります。
①基礎を作る
②土台を敷いて、柱を立てて、梁を架け、屋根の骨組みを作る
③屋根の仕上げをする
一方、木造枠組壁工法:(ツーバイフォー工法)は、以下の順番です。
①基礎を作る
②1階床・1階壁・1階天井(2階床パネル)・2階壁・2階天井の順にパネルを組み立てていく
③屋根の骨組みを組み、屋根を作る
イメージとすれば、積み木で家を作る感じで、下から順に上に積み上げて家を作っていきます。
この工法の違い、実は大きな特徴があります。
木造軸組工法は、柱や梁といった骨組みを組んだ後に、いきなり屋根の工事に差し掛かります。
物事の順番として、下から順に仕上げていけば楽にできそうなものの、いきなり上から作ります。
では、何故こんな非効率的なことをするのでしょうか?
木造軸組工法の場合、屋根ができる前に雨が降ったとしても、濡れるのは柱や梁といった骨組み部分のみになります。
柱や梁は表面が濡れても問題がなく、仮に長雨で木が湿気を吸い込んだとしても、乾燥材を使っていれば時間の経過とともに、元の水分量に木が呼吸をして戻してくれます。ですので、骨組みが濡れること自体全く問題がないのです。
屋根工事が完成する前に雨が降ったとしても、濡れるのは柱や梁の軸組部分なので、仕上げ工事をする前に木が乾燥状態に戻ります。
では、木造枠組壁工法:(ツーバイフォー工法)はどうでしょうか。
下のパネルから順番に作っていきますので、屋根の骨組みを作るまで数日の日数がかかり、屋根の仕上げまでは床のパネル施工から10日以上時間がかかります。
その間に雨が降るとどうでしょうか。
床に敷いたパネル(合板)や壁のパネルがそのまま雨に当たります。構造用合板が長時間濡れた状態にあると、カビの原因になったり、接着剤の種類によっては強度にも影響します。ですので、もし雨が降っても合板が濡れないように、完全に養生することが必須になるのですが、いつ降るかわからない雨のために、完璧な養生を屋根が仕上がるまで毎日することは、おそらく効率から考えても行わないのではと。そして、雨が降ると・・・


この写真は、ゲリラ豪雨の後に、たまたま近くにあったツーバイフォーの現場にて撮った写真です。見事なほど合板が濡れていました。この合板が完全に乾くまで相当の日数がかかり、カビも出ることだと思います。ここまで濡れると強度も心配です。
日本は雨の国です。
世界平均の2倍雨が降ります。
その日本で生まれたのが木造軸組工法です。
ですので、一見、非効率的と思える『屋根先行』の工事をすることが、先人が編み出した最も合理的な工法であるといえるのです。
アメリカは日本の降水量の半分以下で、雨の日数も少なく、季節によっては1ケ月平均の雨日数が0.5日の期間があります。ですので雨を心配しないで木造住宅を建てることができるので、効率的に下から順々に作ることが最も合理的になります。
梅雨の工事現場を見て、日本の伝統のすばらしさを再認識してみたいと思います。
建物以外にも、食文化や住文化にも、梅雨や雨を上手にしのぐ工夫がたくさんあります。
梅雨入りをし、雨の日が多くなっています。
日本は主に温暖湿潤気候帯に属しており、四季があり年間の降水量も多めの気候帯になっています。

日本の年間降水量は、世界の平均の2倍以上あります。日本は年間約1690ミリに対し、世界平均は810ミリです。アメリカと比較しても倍以上の降水量があります。年間の降水日数(雨や雪が降った日)は東京は約100日に対して、サンフランシスコは60~70日というデーターもあります。量・日数ともに、雨の多い国であることがわかります。

日本の建築といえば「木造」ですが、伝統的に建てられているのが、柱と梁を組んで建てる「木造軸組工法」と呼ばれるもので、こもだ建総の家もこの工法です。

一方、アメリカが発祥の「木造」もあり、「木造枠組壁工法:(ツーバイフォー工法)」と呼ばれれるものがあります。

木造軸組工法は、以下の順番に家が出来上がります。
①基礎を作る
②土台を敷いて、柱を立てて、梁を架け、屋根の骨組みを作る
③屋根の仕上げをする
一方、木造枠組壁工法:(ツーバイフォー工法)は、以下の順番です。
①基礎を作る
②1階床・1階壁・1階天井(2階床パネル)・2階壁・2階天井の順にパネルを組み立てていく
③屋根の骨組みを組み、屋根を作る
イメージとすれば、積み木で家を作る感じで、下から順に上に積み上げて家を作っていきます。
この工法の違い、実は大きな特徴があります。
木造軸組工法は、柱や梁といった骨組みを組んだ後に、いきなり屋根の工事に差し掛かります。
物事の順番として、下から順に仕上げていけば楽にできそうなものの、いきなり上から作ります。
では、何故こんな非効率的なことをするのでしょうか?
木造軸組工法の場合、屋根ができる前に雨が降ったとしても、濡れるのは柱や梁といった骨組み部分のみになります。
柱や梁は表面が濡れても問題がなく、仮に長雨で木が湿気を吸い込んだとしても、乾燥材を使っていれば時間の経過とともに、元の水分量に木が呼吸をして戻してくれます。ですので、骨組みが濡れること自体全く問題がないのです。
屋根工事が完成する前に雨が降ったとしても、濡れるのは柱や梁の軸組部分なので、仕上げ工事をする前に木が乾燥状態に戻ります。
では、木造枠組壁工法:(ツーバイフォー工法)はどうでしょうか。
下のパネルから順番に作っていきますので、屋根の骨組みを作るまで数日の日数がかかり、屋根の仕上げまでは床のパネル施工から10日以上時間がかかります。
その間に雨が降るとどうでしょうか。
床に敷いたパネル(合板)や壁のパネルがそのまま雨に当たります。構造用合板が長時間濡れた状態にあると、カビの原因になったり、接着剤の種類によっては強度にも影響します。ですので、もし雨が降っても合板が濡れないように、完全に養生することが必須になるのですが、いつ降るかわからない雨のために、完璧な養生を屋根が仕上がるまで毎日することは、おそらく効率から考えても行わないのではと。そして、雨が降ると・・・


この写真は、ゲリラ豪雨の後に、たまたま近くにあったツーバイフォーの現場にて撮った写真です。見事なほど合板が濡れていました。この合板が完全に乾くまで相当の日数がかかり、カビも出ることだと思います。ここまで濡れると強度も心配です。
日本は雨の国です。
世界平均の2倍雨が降ります。
その日本で生まれたのが木造軸組工法です。
ですので、一見、非効率的と思える『屋根先行』の工事をすることが、先人が編み出した最も合理的な工法であるといえるのです。
アメリカは日本の降水量の半分以下で、雨の日数も少なく、季節によっては1ケ月平均の雨日数が0.5日の期間があります。ですので雨を心配しないで木造住宅を建てることができるので、効率的に下から順々に作ることが最も合理的になります。
梅雨の工事現場を見て、日本の伝統のすばらしさを再認識してみたいと思います。
建物以外にも、食文化や住文化にも、梅雨や雨を上手にしのぐ工夫がたくさんあります。
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