fc2ブログ

工業製品ではない

こんにちは。こもだ建総の岡部です。
毎日、生きていくために、楽しみのために、食事をします。
その食べている食べ物は、農家の方から、畜産家の方から、漁師の方から提供される、農産品(農林水産品)です。
冷凍食品やお菓子といった工場で加工された食べ物でも、【工業製品】を食べていると感じる方は、あまりいないと思います。
加工食品には、必ず産地や加工方法など書いてあり、例えば【北海道産・新鮮○○使用】みたいに、パッケージを見て消費者は購入するので、【工業製品であること】よりも、【食べ物(農林水産品)であること】を無意識に重要視していることになります。

なぜ、今回こんなことを考えたかというと、【家】は果たして、工業製品なのか、そうではないのか、思うところがあるからです。
【家】には、構造や仕上げの材木をはじめ、カーテンの布や、襖の紙や、そして畳など、多くの自然素材(農林水産品)が使われています。
そして、昔から、それぞれの生産者や職人が、身近にあるそのような素材を利用して、家を建ててきた歴史があります。

現代の家は、【農林水産品を職人が作り上げる】というよりも、【工業製品を買う】というイメージになっているのではないかと思います。
【工業製品】と聞いてイメージするのは、均一された品質や、大量生産や低コストなどだと思いますが、まさに多くの家がこのような考えで、つくられているような気がします。

人生の大半の時間は家で過ごし、床や壁には直接手を触れ、家の中のたくさんの空気を吸います。
ですので、家は、食べ物と同じくらい、本来なら素材についてこだわるべきと私は思います。
例えば○○産の桧だとか、△△産の自然塗料とか、もっと素材に注目すべきだと。
食べ物を買う時に、スーパーでは○○産トマトとか書いてありますし、冷凍食品やお菓子を買う時も、パッケージには○○産と書いてあることが多く、ひっくり返せばとても細かに表記がしてあります。
しかし、家づくりにおいて、建物をひっくり返しても、どこにもそんなこと書いてありません。
家を建てる建築会社が、しっかりとした素材を選び、それをきちんと公開すること、そして家を買う側もそのことを意識して家を選ぶことが大切です。

日本の家には、世界の誇る万能な床材があります。
それは、【畳】です。
畳は、藁床とイ草といった、自然素材でつくられた、日本の風土によく合った、万能な床材です。
畳は、直接肌に触れる、毎日使うものなので、健康に安心で、長く使えて、見た目も肌触りも、香りも、風合いも良いと嬉しいですよね。

畳は【工業製品】なのか、【農林水産品】であるのか?
9月11日の家づくり教室にて、技能グランプリ受賞者の畳職人による、「万能建材畳の深イイ話」が聞けますので、是非お越しください。

https://www.komodakensou.co.jp/event/3581/

キャプチャ210






スポンサーサイト



ウッドショックから見直そう!日本の家づくり  2

こんにちは。こもだ建総の岡部です。
5月のブログでも紹介させていただいた【ウッドショック】について、日々状況は変わりますが、現在の動向や今後の展開について、聞いた話をまとめてみたいと思います。

7月17日に山長商店がゲストの家づくり教室で、林業・製材・流通のすべてを担う立場から、今現在の状況と今後の展開についてお話を聞くことができました。
また、新建ハウジングという業界紙の三浦社長のSNS発信の内容が、現状に即していると思い、まとめてみます。

三浦社長のSNSによると、日本木材総合情報センターの木材価格・需給動向から、ウッドショックの影響は収まる気配がなく、建築業者にも分譲物件の遅れなど様々な影響が出始めているとのことです。
スギ、ヒノキとも柱材の不足が深刻なのと、スギ間柱に注文が殺到し、価格は納品時の「時価」の状態。米ツガは相変わらず供給量が少なく、入荷毎にかなりの値上がりになっている状態。
欧州材は流通量が非常に少なく価格も高騰している。
ホワイトウッド 集成柱の在庫が底をついてきた、ロシア材、野縁材は品薄でなお高騰している・・・。

要は、品薄で高価格の状態が続くということです。

また、先日家づくり教室の山長商店のお話の中で、「輸入材が入らないから、国産材を大量供給しよう!」とは簡単に行かないとのことです。
例えば、林業家が50年山で育てた20メートルの杉の原木を市場に売った時に、1本3000円位しか値が付かない状態が続いていました。
日本には戦後の拡大造林で、樹齢50年以上の木がたくさん生えています。
しかし、今までは輸入で安く大量に木材が入っていたので、丸太3000円という大赤字の金額でも、金額的に輸入材に抵抗ができない状態で、林業家はお金をかけて伐採をすることを諦めてしまい、林業の担い手も少なくなり、国の補助金なしでは「木を切って売る」こと自体破綻している状態が日本の林業なのです。
ウッドショックの影響で、国産材を使う機運が高まっていますが、山側では伐るにもお金がかかり(林道や架線や貯木場などの整備も必要)、また、木を伐る職人が極端に不足していることもあり、そう簡単には進みません。
需要の高まりで、原木価格も最近は上昇しているそうですが、それでも林業として「持続可能」なレベルではないそうです。

要は、国産材の金額が上昇したというよりは、適正金額に近づいているということです。

こもだ建総は、山長商店と長年取引をさせていただいております。
お客様の大切な家の、その中でも最も大切な骨組みにおいて、「安さ」よりも「品質」を求めた結果、こもだ建総では輸入材や集成材ではなく、山長商店の構造材を使っています。
ウッドショックの今、数倍の金額で材木を求める状況は回避でき、山長商店さんとの縁に感謝しております。

現状では坪単価で2~3万のアップをしていますが、おそらく一過性ではなく、持続可能な国産材であるために、木材価格はこの水準がしばらく続くものと思います。

くしくも国産材が見直されるきっかけにもなり、住宅もただ「安さを求める」ことを脱却する時が来ているのではと、「本当にいい家とは」を求める、日本の家づくりが変わっていくきっかけになってくれればと思います。
プロフィール

こもだの営業

Author:こもだの営業
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR