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シリーズ「ハウスメーカーと工務店の違い」その3

続いて、工務店の特徴を見ていきたく思います。
ハウスメーカーは「大量生産」がキーワードでしたが、工務店はキーワードが作れないくらい、様々な会社が存在します。
工務店の、その会社の社長の考えが、そのまま形に現れてくるのが工務店の家になります。
ですので、ある会社では、「自然素材」であったり、ある会社では「ローコスト」であったり、「気密性能」だったり、特徴が顕著に出ている家づくりをしていることが多いのが工務店です。
会社の規模も、提供している家の坪単価も、会社によって大きく違います。
特に特徴が無く、近所や親せきから声がかかって年間3,4棟建てる工務店は別にして、しっかりとした信念やコンセプトを持っているのが特徴で、規模は工務店のスタッフが自社の家がどこでどのようにつくられたかを把握できる規模、年間で10棟から多くて50棟の家を建てるのが工務店だと思います。
50棟を超えると、工務店色が薄れ、どうしてもハウスメーカー色が強くなってしまうからです。
多くの工務店の家は、その会社の信念に基づいた特徴を持っていますので、その特徴と家を建てる人の考えが一致すれば、家づくりは大成功につながってきます。

例えば弊社の場合は、無垢材や漆喰の自然素材を生かした、専属大工によるオーダーメイドの家づくりを、そして、耐震や断熱など基本性能を向上し快適と安心を提供していく家づくりをしています。
無垢材や漆喰の施工、オーダーメイドを基本にした設計思想など、ハウスメーカー、大量生産には不向きな家づくりです。
どの工務店も、このような会社のコンセプトがあるはずで、ハウスメーカーの「大量生産」や「万人受け」とは逆の家づくりをしていることが多いです。

まとめますと、ハウスメーカーの家は「大量生産」を前提とした、「多くの人に受け入れられる家」、工務店は「オーダーメイド」を前提とした、「コンセプトが際立った家」ということになります。


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シリーズ「ハウスメーカーと工務店の違い」その2

大量生産に適した家とは、どのような家でしょうか。
1.素材の質に左右されない
2.職人の質に左右されない
このことが、大量生産をする家の前提条件になります。
そのうえで、早い工期でつくることも重要になります。

例えば、無垢のフローリングを床に貼るとします。
その場合、まずは品質の安定した(割れや反りのリスクの少ない乾燥した無垢材)素材を仕入れなくてはいけません。
そのうえ、大工においては、木の特徴を見極めて、無垢材の良さを生かしながら、反りなどの欠点を補う施工技術が必要になります。

一方、合板でできている一般的なフローリングは、長さ1.8m、幅30センチに工場で加工された材料を、決められた間隔で釘やボンドでとめていきます。
また、階段を施工する場合も、大量生産の場合は工場であらかじめ加工された階段を、手順書通りに組み立てていけば施工ができますが、手作りの階段は、大工が原寸図を引いて鑿(のみ)や鉋(かんな)で加工をして組み立てていきます。

このように、大量生産の家の場合は、無垢材は扱いにくいことがわかります。

無垢材を使えないことや、手作りができないことが、すべて悪いわけではありません。
ハウスメーカーには商品の研究開発チームがしっかりとしており、マーケティングを行い、最先端のトレンドを生かした内外観や素材により、多くの人が見て「カッコいい」や「かわいい」と共感のできる家を作ることが得意です。
また、同一の仕様で大量生産をするので、部材の単価は通常は低くなると考えられます。


シリーズ「ハウスメーカーと工務店の違い」その1

こんにちは。こもだ建総の岡部です。
住宅の検討を始めると、最初に「ハウスメーカー」と「工務店」があることに気づきます。
どちらが良くてどちらが悪いのかではなく、それぞれに特徴があり、新しい家に住む方の考え方によって、どっちが自分たちに向いているかが重要になります。

本当は工務店向きの考えの方が、工務店の存在に気づかずにハウスメーカーで建てて後悔したり、ハウスメーカー志向の方が工務店で建てて満足ができなかったり、そんなミスマッチは起こしたくないですよね。

それでは、ハウスメーカーと工務店の、どこが違って、どのような特徴があるのかを、説明していきたく思います。


私は現職(工務店勤務)の前に、ハウスメーカーに約9年勤めていました。それぞれの特徴を身をもって体感しておりますので、少しでもお役に立てればと思います。
まずは、特徴から説明します。
ハウスメーカーは、端的に言うと「住宅を大量生産して販売する会社」です。
キーワードは「大量生産」になります。
工法は鉄骨から木造まで様々な会社があり、価格帯も会社によって大きく異なります。
例えば、積水ハウスやダイワハウスは鉄骨の構造、住友林業は木造、同じ木造でも三井ホームなどはツーバイフォーですし、価格面でも坪100万円の商品がある会社から、タマホームや飯田産業みたいにローコストの会社もあります。
また、全国展開をしていない「ご当地ハウスメーカー・ビルダー」もあります。埼玉ですとポラスや桧家住宅などがそうです。

ハウスメーカーのキーワードは「大量生産」です。
当たり前の話ですが、仮に同じ家を建てた場合、大量に生産される家の1棟1棟の品質や、性能や、価格やサービスが地域や担当者などによって違ってしまうわけにはいきません。
さいたま市では大工の腕がよくて、川口市ではいまいち・・・そんなことがあってはいけないので、どの家も同じような作りにしないといけません。
そのためには、大量生産に適した家にする必要があります。


つづく

実験室ではなく、家なんです。

こんにちは。こもだ建総の岡部です。
家づくりにおいて、性能はとても重要なことは言うまでもありません。
耐震性能、断熱性能、その他いろいろな性能がありますが、今はそれぞれ数値として比較検討ができる世の中になっています。
特に、断熱と換気については、性能をはじめ、工法・手法がたくさんあります。
住宅会社も、断熱材や換気扇メーカも、自社の得意としているものがあり、当然、得意としているものを中心に説明をしていきます。
また、昨今は、ウェブ検索で勉強することができたり、その分野を語るYoutubeもたくさん出てきています。
そうしているうちに、何が正解なのか、どんな家が良いのか、迷路に入り込んでしまう方が、多くいることだと思います。

断熱性能は、当然満たしておかなければいけない最低ラインはあるかと思います。
(ZEH基準を最低ラインとして、HEAT20のG2グレードを目指すとか・・・)
しかし、色々なことを見ていくと、性能中毒症状と言いますか、性能を向上することが目的になってしまうこともあり得ます。

換気も同じことが言えます。
第1種換気がいいのか、第3種換気がいいのか、見れば見るほど沼にはまるのが換気議論です。

例えば、太陽の日射だけを利用して、暖房機を付けなくてもいい家にしたい、いわゆるパッシブハウスの考えなのか、都市部で日当たりがあまりよくない立地なのかにより、間取りも断熱性能も違って当然ですし、フィルターの掃除が面倒で仕方ない性格の方が第1種換気を選んだらどうなるのか・・・など、建てる土地や住まう人に合わせて、本来は性能を決めていくべきだと思います。


実験室を作り、その実験室の性能を競うのが家づくりではないのです。
家を作ること、その家でどのような生活がしたいのかが目的であり、断熱や換気はその手段にすぎません。



家づくり教室アネックス「断熱のプロが解説 断熱の基礎から学ぶ住まいづくり講座」

こんにちは。こもだ建総の岡部です。
2月27日に、第205回家づくり教室が開催されました。
今回のテーマは、「断熱のプロが解説 断熱の基礎から学ぶ住まいづくり講座」で、断熱材メーカーのアキレスの専門家が特別ゲスト講師で開催されました。
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断熱の必要性と、断熱とは何かを、丁寧にわかりやすく解説していただきました。
光熱費削減というだけでなく、断熱をしっかりすることで、住まいの快適性が大幅に向上し、温度差や結露による建物への影響も抑えることができます。

断熱性能は、数字で比較することができます。
現在の法律では、省エネ等級4を最低限のラインにすることが求められています。
しかし、実際のところ、等級4では断熱性能(快適性や省エネ性)に不安があります。
最低でも、ZEH基準、できましたらHEAT20のG2グレードを目指して断熱性能を向上させることが求めれれます。
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シミュレーションソフトを使って、実際のどれくらいの温度差が出てくるかを比較しました。

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結果は一目瞭然ですが、あなたならどちらを選びますでしょうか。

1.省エネ等級4の家のイメージ
・寒いときに温めたい部屋の暖房をつける
・廊下やトイレは、寒いまま
・夜寝る時に暖房を消し、朝起きた時に室温が10度前後になっている
・暖房をしていない部屋に、結露が起こる

2.HEAT20 G2レベルの家のイメージ
・家全体を少ない暖房器具で全館空調
・廊下やトイレも、ほぼ同じ温度
・夜寝る時も、温度差が無い全館暖房で、朝起きた時も20度をキープ
・温度差が無いので、結露のリスクも低い

全館空調ですと光熱費が心配ですが、しっかりとした断熱性能があれば、部分暖房とほとんど変わりはありません。

どちらを選ぶべきは、明確だと思います。

家づくりで後悔しないためには、たとえ若干のコストアップがあっても、断熱性能はケチってはいけません。
そして、しっかりとした断熱を施工できる建築会社を選ぶことが重要になります。

第205回家づくり教室 YOUTUBEアーカイブ
https://youtu.be/Plrtc65sZOo




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